「電子処方箋の円滑な運用に関する検討会」初会合、ガイドライン見直し着手

 

厚生労働省・メドレーが発表した成果報告書より

厚生労働省は2019年9月2日、「電子処方箋の円滑な運用に関する検討会」の初会合を都内で開催し、現行の電子処方箋の運用ガイドラインの見直しに向けた議論を開始した。9月下旬にも改正案をまとめる予定だ。

「現行ガイドライン下での実施例は承知していない」

検討会の設置および議論の開始は、政府が6月21日に閣議決定した「成長戦略フォローアップ」に、電子処方箋のガイドライン改定が盛り込まれたのを受けたもの。検討会は医師会、歯科医師会、薬剤師会、病院会のほか保険医療福祉情報システム工業会(JAHIS)、医療情報システム開発センター (MEDIS)などから委員が構成されている。

検討会はまず現状把握の点から、2016年に策定された現行のガイドラインについてなどを厚労省側が説明を行ったが、担当官は「現在、このガイドラインに準じて電子処方箋が運用されている地域は承知していない」と明らかにし、昨年度に行った実証事業の結果(メドレーが受託・実施、既報)を踏まえガイドライン見直しに取り組むと表明した。委員からは「在宅医療、救急医療、へき地医療、災害医療時などメリットが明確になるガイドラインにすべきといった意見や、すでに各社がアプリを提供している電子お薬手帳との連携などの課題が出された。

厚労省では今後、同検討会に作業班を設置し具体的内容の検討を進め、9月下旬にも第2回次回検討会を開いて、作業班での検討内容に関する議論を求める予定だ。