2017年5月16日、総務省は平成29年度中に、第5世代移動通信システム(5G)実現による新たな市場の創出に向け、様々な利活用分野の関係者が参加する「5G」の総合的な実証試験を開始すると発表した。同時発表された実験概要には、遠隔医療の実験も記載されている。
6つの実施主体による多分野での実証実験を展開 遠隔医療は和歌山で
総務省が実用化を主導する「第5世代移動通信システム(5G)」は、現在の通信速度を飛躍的に高めるだけでなく「端末多数同時接続」「超低遅延」を特徴とする。要求仕様ではあるが、速度はLTEの100倍、1k㎡あたり100万台のIoT機器を同時接続でき、さらに遅延は1ミリ秒程度だとされている(既報)。
今回発表された実験概要では、6つの実施主体が全国各地の協力自治体と様々な活用を実証する。例えば沖縄では、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が実施主体となり、屋内スタジアムでの自由視点映像の同時配信を実験。山口県ではソフトバンクが実施主体で、トラックの隊列走行、遠隔監視・操作についての実験を行なう(内容については、今後変更・追加の可能性もある)。
医療分野も今回の実験分野に含まれ、和歌山県立医科大学と日高川町国保川上診療所間で、現在導入されている遠隔医療支援システムのうち回線の一部を5Gとし、高精細な4K映像をリアルタイムで伝送する試験を行なう。実施主体はNTTドコモで、今後詳細が決まり次第、追って発表するという。予定通り実施されれば、この和歌山県での実験は日本初の試みとなる。