血中のマイクロRNAでがん検知、初の臨床試験へ まずは乳がんで従来法と比較

NEWS

 国立がん研究センターは、血中マイクロRNAの検知によるがんの早期発見方法の開発をめざし、まずは乳がんを対象として3000人規模の臨床試験を12月より順次開始すると発表した。2014年から進められてきた、マイクロRNAをがんのバイオマーカーとして確立する国家プロジェクトが、臨床応用への大きなマイルストーンを迎える。

スポンサーリンク

乳がん検診受診者3000人を対象、マンモグラフィー、エコーと比較

2014-18年度実施の「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」プロジェクト資料(出典:NEDO)

 近年、核酸のうちタンパク質生成に関与しない「ノンコーディングRNA」の種類とその機能について解明が進みつつある。そのうちマイクロRNAはタンパク質を生成する核酸であるメッセンジャーRNAにアプローチし、その遺伝子機能を制御することが知られている。さらに、血中のマイクロRNAはがん等の疾患にともなって種類や量が変動することが明らかになっており、がんの早期発見を実現するバイオマーカーとしての可能性が示唆されてきた。

 国立がん研究センター中央病院バイオバンク・トランスレーショナルリサーチ支援室の加藤健室長らの研究グループは、2014年から18年まで日本医療研究開発機構(AMED)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」プロジェクトを実施、胃がんをはじめ多くのがんを90%以上の確率で検知できることを突き止めた。2019年度からは引き続きAMED支援のもと臨床応用への研究を続行しており、今回の臨床試験はその第一弾となる。臨床試験では、これまでのプロジェクトで性能を確認してきた東レのマイクロアレイチップを測定に活用。これまで明らかにされているマイクロRNAの種類は2,600種類とされるが、同社のチップはそのすべてを検知できる唯一のもので、独自の設計と構造により検知精度も卓越しているという。

 試験は日本対がん協会の協力を得て、愛媛・鹿児島・北海道・福井の協会各支部で乳がん検診を受けた方3,000人を対象に同意を得て血液を提供してもらい、マイクロアレイチップで測定。その結果とマンモグラフィー、乳腺エコー検査結果などを比較分析し、マイクロRNAがんマーカーの性能を評価する。

 

関連記事