東京保険医協会の医師らを中心とした有志が22日、国に「マイナ保険証」対応の義務化は違法だとして、公法上の義務はないことの確認を求める訴訟を起こした。訴状によると、今年4月から予定されている義務化は法律上には定められておらず、憲法違反だとしている。
274人が参加した集団提訴に
政府はマイナンバーカードに保険証の機能を追加した「マイナ保険証」を医療機関で受付られるよう、必要なシステムを揃えることを4月より義務化する方針だが、システムトラブルや導入の遅れなどもみられることから、導入を決めている医療機関であれば導入完了が遅れても認める方向だ。一方で、義務化に従わない場合は保険医の資格を取り消す意向も示している。この方針に対し、一部の医療機関からは運用費やセキュリティ対策への負担を強いることに反発の声も上がっている。
以前より義務化反対を表明していた東京保険医協会は、1月の理事会で国に対し訴訟を提起することを決定しホームページで参加を求めていた。多くの参加者が得られたとして22日、東京地裁に提訴した。最終的には原告は274人にのぼった。
訴状によると、義務化の根拠法令は療養担当規則のみで法律に基づいておらず違憲であり、医師らの医療活動の自由に対する権利を侵害しているとして、公法上の義務はないことの確認を求めている。