保険証のオンライン確認システム、4割でシステム障害発生 保団連が実態調査

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 保険医の団体「全国保険医団体連合会(保団連)」が、保険証などのオンライン資格確認システムについて会員にアンケート調査を実施し、このほどその概要を公表した。それによると、すでにシステムを導入した医院の4割でシステム障害が発生しているという。

導入したものの「有効な保険証が無効とされる」「カードリーダーが起動しない」

 調査は保団連に所属する医療機関にメール、ファックス等で回答を求めたもので、回答があったのは8707機関。システムを導入した医療機関に対し稼働・運用状況を聞いたところ、83%が「利用する患者数がほとんどいない」と回答した。また、41%でトラブル・不具合が発生していたことが発覚した。

 トラブル・不具合の具体的な内容は、「有効な保険証が無効と表示された」が 62%、「カードリーダーの不具合」が41%。このすべてではないが、医療保険の支払基金が医療機関に交付しているパナソニックや富士通のカードリーダーが Windows Update 更新により起動しない障害が発生している。両社のカードリーダーは43,000 台以上が医療機関等に交付され稼働しており、深刻な問題になっているとみられる。

 保団連では、トラブル・不具合が生じた場合、現状では保険証で資格確認し保険診療を実施しているが、政府の方針で保険証が廃止され、被保険者情報が券面に記載されないマイナ保険証に一本化されれば、トラブル・不具合を防ぐことは困難となり、事実上保険診療が実施できなくなると指摘。そのため、少なくとも運用トラブル・不具合が解消されるまで2023年4月実施の義務化は延期することを要望している。

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Posted by medit-tech-admin