iPS細胞培養技術の社会実装を目指す京大発ベンチャー、米企業へ初の非独占ライセンス供与 

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 京都大学発のバイオ医療ベンチャー、マイオリッジは19日、iPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療関連製品を開発する米AveryTherapeuticsに対し、京都大学およびマイオリッジが保有するiPS細胞由来心筋細胞の分化誘導法について非独占的なライセンスを供与すると発表した。同社によると初の海外へのライセンス供与例だという。

初の海外へのライセンス供与例

マイオリッジ社のWebサイトより

 

 マイオリッジは2016年設立のバイオベンチャー。京都大学iCeMS(物質ー細胞統合システム拠点)が開発した、低コストでiPS心筋細胞の培養が可能な「プロテインフリー技術」のライセンスを受け社会実装の役割を負っている。培養液に含まれるタンパク質をすべて低分子化合物に置き換えるこの技術を活用すれば、培地コストを約100分の1に削減できるという。またこの技術を活用して培養される心筋細胞は実際の心臓における発現レベルに近く、一般的なiPS細胞由来の心筋細胞と比べミドコンドリアの量が多く、信金純度も90%以上と高い。同社では、この技術はiPS細胞や心筋細胞といった特定の細胞種に限らず、他の再生医療等製品への開発にも応用できる技術であるとしている。今回非独占的ライセンス供与を受ける米Avery社は、北米においてこの技術を活用した再生医療製品の製造販売を行う予定で、製品は現在非臨床試験の段階にあるという。

 マイオリッジでは今回ライセンス供与した技術以外にも、iPS細胞、間葉系幹細胞等の幹細胞や心筋細胞等の製造にかかわる基盤技術を保持しており、今後も独自性の高い基盤技術を世の中へ送り出すことで、再生医療の普及に貢献するとしている。

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