コロナ禍でのメンタルヘルスをサポートする非接触型の遠隔システム、首都圏などで効果検証開始 AI活用でトリアージ

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 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は21日、コロナ禍でのメンタルヘルスをサポートする非接触型のシステムを構築し、効果検証を首都圏の複数個所、愛知県新城市の特定の市区で開始したと発表した。Webサイトを窓口に人工知能(AI)を活用して利用者の状態をトリアージしたうえで、認知行動療法アプリや心理士のオンライン相談へ適切に導くフローを構築する。

Webサイトで現状をチェック、アプリやオンライン相談へ繋げる

 コロナ禍はさまざまな医療ニーズの高まりと診療控えの両方を同時に引き起こし、新型コロナウイルス感染症以外の疾患リスクも高めているが、メンタルヘルスにおいても同様で、電話相談の件数は増えているという。国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は今回、メンタルヘルスサービスを必要とする市民が適切な対応を受けられるようなシステムとして、Web上で状態をチェックし、その状態にあわせたケアプログラムへエスカレーションするシステムを開発した。まずは首都圏の複数個所(小平市、所沢市、三鷹市、武蔵野市、世田谷区、新宿区)の他、愛知県新城市で展開されている包括的なヘルスケアシステムに組み込み、地域特性による違いが認められるかなどを効果検証する。

 開発したシステムでは、まずメンタルヘルス不調を自覚した住民が、スマートフォン等から窓口となるWEBサイト「KOKOROBO」へアクセスする。同意を得た上で、うつ、不安、睡眠に関する自記式質問票への回答してもらうことで状態をチェック。これを基に重症度を判定し、以下の対応へエスカレーションする。

①(〜軽症)対応終了
②(軽症・中等症)AI『こころコンディショナー』によるチャットボット形式の認知行動療法プログラムを活用
③(重症以上)心理士によるオンライン相談

①、②に振り分けられた住民には、1ヵ月後にスマートフォン等を介し、うつ、不安、睡眠に関する再評価と再度のトリアージを行う。また、うつ、不安、睡眠の評価に基本情報(年齢、性別、居住状況、就学・就労状況、授業・勤務形態等)も合わせ、再評価の結果を機械学習に適用してメンタルヘルス重症度分析アルゴリズムを作成。自動トリアージシステムの構築を行うという。心理士は遠隔医療システムを用いて住民のこころのケアを行い、重症度によって、地域医療機関あるいは高度専門医療機関に紹介する。①、②に振り分けられた住民に関しては、重症度が軽症未満を2回連続するまで、あるいはオンライン相談を受けるまで毎月フォローアップを行う。

 同センターでは、このシステムはコロナ禍に対応するために開発したものだが、収束後もケアを必要とする人々を円滑に導くツールとして、進化・発展することが期待できるとしている。

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