日本における介護サービス最大手のニチイ学館とNECが業務提携する。2017年11月10日、両者は第一弾としてAI(人工知能)を活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始したと発表した。NECの独自AI関連技術群「NEC the WISE」を投入し、AIによる適切なケアプランの提案を目指すという。
介護サービス最大手がAIの導入に乗り出す
ニチイ学館は、全国47都道府県の1,400ヵ所以上の拠点を持ち、在宅系・居住系介護サービスから生活支援サービスまで、多様なサービスを約15万人に提供する業界シェアトップの最大手。介護に関するサービス実績・知見と全国規模の様々なデータを保有している。NECとは中国における介護ビジネス領域において協働を進めていたが、今回日本においても業務提携を締結し、第一弾としてAI(人工知能)を活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始する。
具体的には、従来からある要介護者に対する入浴介助・通院介助などの身体介護、調理・掃除などの生活支援に向けたケアプランに加え、NECが持つAI関連技術群「NEC the WISE」のひとつで多種多様なデータを分析できる異種混合学習技術が導き出す根拠をもとに、要介護者のより効率的な運動機能改善などを促す新しいケアプランを作成する。これにより、介護事業者が要介護者の自立を促すサービス開発を支援する。両者はこの共同研究により、介護事業者におけるケアマネジャー等の現場スタッフの負担を軽減するとともに、より効果の高いケアプランを作成できる人材育成の実現を目指すという。