NECソリューションイノベータ（東京都）とイムノセンス（大阪府）は、手のひらサイズのセンサとポータブル測定器を組みあわせ、唾液から免疫状態を15分程度で可視化する測定システムを新たに開発したと発表した。少量の唾液から、唾液中の粘膜免疫の指標とされる分泌型免疫グロブリンA（sIgA)）の濃度を測定するもので、これまで測定が困難だったsIgAの測定を、場所を選ばず簡単に行うことができるようになるとしている。
スマートフォンアプリですぐに結果確認
発表された測定システムは、センサに少量の唾液と緩衝液を混ぜた唾液サンプルを滴下し、センサを測定器に装着すると、15分程度で唾液中に含まれるsIgA濃度を測定することができる。センサは使い切りタイプのため、交換すれば繰り返し測定することが可能。測定結果は、システムに接続したスマートフォンから専用アプリを通じ、折れ線グラフで可視化できる。自身の免疫状態の変化を捉えることで、免疫状態に合わせた体調管理を選択することを支援するという。
両社は将来的には、測定ターゲットに合わせた人工核酸アプタマーを用意することで、ストレスなど他の体調変化に関する項目に対してバイオマーカー測定への応用を予定しており、開発を拡大するとしている。