NVIDIA、医用画像解析に本格進出 CT機器に初めて技術投入

 

近年はディープラーニングのハードウェア基盤として確立した感があるGPUの大手メーカー、米NVIDIAが医用画像の解析に本腰を入れてきた。2017年11月26日、27日と連日、医療機器メーカーや、放射線画像伝送システムを事業とする大手と相次いで提供を発表した。

 

GE Healthcareと提携、同社製の新CT機器に技術導入

Revolution Frontier CT

現在開催中の「RSNA2017(第103回北米放射線学会)」の中で、NVIDIAとGE Healthcareは、ヘルスケア分野で今後10年にわたるパートナーシップを締結したと発表した。同時にNVIDIAの技術が導入されたGE Healthcareの新CT「Revolution Frontier CT」を公開。従来機器と比べ画像処理能力2倍を達成しているという。また同社は医療機器メーカーで初めて、NVIDIAが提供するディープラーニング環境「GPU CLOUD」を利用する。現在世界中で50万台導入されているGE Healthcareの機器に繋ぎ、画像処理と解析をスピードアップさせる。

 

米国で70%のシェアを持つ放射線画像伝送システムと提携

また、米国の放射線科医師の70%が利用しているといわれるNuance Communicationsの放射線画像伝送/レポートシステムと提携し、同社が新たに立ち上げるサービス「 AI Marketplace for Diagnostic Imaging」へディープラーニング環境を提供する。この提携で、米国における放射線科医師の大多数へ、NVIDIAの画像解析、読影技術を提供することになる。

なおNVIDIAの医療機器、画像診断へのアプローチは国内でも見られる。今年5月には筑波大学での研究で、NVIDIAのGPU基盤を使用したMRIシミュレータが世界最高速を達成した(既報)。今後も国内外で、NVIDIAの積極的な動きがみられそうだ。