オムロンヘルスケア(京都府)が、日本初の心電図計測機能付きの血圧計を発売し、同時に心房細動の早期発見・治療介入を目的として、この血圧計を活用した脳・心血管疾患の予防啓発事業もスタートさせると発表した。一般社団法人スマートヘルスケア協会(東京都)と連携し、地域の調剤薬局やドラッグストアで「心電図測定による受診勧奨モデル」をつくっていくという。
スマートフォンでの計測値共有、解析を行える心電図計測機能付き血圧計を発売
オムロンヘルスケアが発売開始した「心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T」は、血圧測定時に本体のセンサーに指を添えることで同時に心電図を計測できる。同社が展開するアプリに計測値を送ると解析され、心房細動の可能性があればアラートを出す。同社では初年度の販売目標を2,500台としている。
調剤薬局、ドラッグストアで心電図計測、受診勧奨を行うモデル事業展開へ
また同時に、この血圧計を活用した地域における「受診勧奨モデル」を立ち上げたと発表した。具体的には、調剤薬局やドラッグストアの健康サポート事業を支援する一般社団法人スマートヘルスケア協会と連携し、薬剤師対象の管理者研修を実施。修了した各店舗の薬剤師が、来店した患者の薬歴などからこの血圧計による測定を促し、異常値が出た場合は受診勧奨する。必要な資材やサポートは同協会から提供する。なお実施できる同協会から「健康応援スポット」の認定を受けた店舗となる。
心房細動の人はそうでない人に比べ脳梗塞発症のリスクが約5倍高くなるという研究データもある。見過ごせない症状と言えるが、自覚症状がないため、人間ドッグや健康診断で確認できない場合もある。オムロンヘルスケアではこの取り組みを通じ、脳・心血管疾患の早期発見と治療介入の機会を増やしたいとしている。