オムロン ヘルスケア(京都府)が、スマートフォンアプリと連動する小型の携帯型心電計を発表した。1誘導心電図と6誘導心電図が記録可能な医療機器で、医師がそのデータを見てそのまま確定診断に使用できる。
不整脈の早期発見、医療介入の機会創出を狙う
同社が今回発売する携帯型心電計は約縦30×横90×厚さ7.4mmのコンパクトサイズで、医師や医療関係者の指示で購入できる特定保守管理医療機器。患者が気軽に持ち運べ、不整脈や動悸などの自覚症状を感じた時に自分で心電図を記録することができる。記録した心電図を医師と共有することで心房細動の早期発見、治療支援につながるという。1誘導心電図と6誘導心電図の2種類記録できるので、医師がデータを見て、1誘導では心房細動、6誘導では心房細動に加え心房細動以外の様々な不整脈の確認ができる。
心電図データは同社のスマートフォンアプリ表示できるほか、アプリ上で「心房細動の可能性」など6種類のパターンで解析結果も確認可能。また、記録した心電図を医師と共有したい場合は、印刷したりメールに添付する。
心房細動は早期に治療できれば完治する可能性が高まると言われているが、治療には発症時に記録した心電図が必要であり、しかもいつ発症するかわからないため記録を取ることが困難な状況にある。そのような事情もあって、同社が実施した心房細動に関する意識調査では、普段の生活で脈の乱れを感じたことがある人のうち約8割が「何もしていない」と回答している。同社ではこのデバイスを活用することでいつでもどこでも心電図を記録できるようになり、医師と共有してもらうことで早期治療のサポートにつなげたい考えだ。