AIを活用した診療支援ソリューションを展開するプレシジョンは、コロナ禍にある診療所を支援するため、診療所向け製品について2022年3月末まで無償提供すると発表した。
2,000人の医師による3,000疾患700病状の所見、全処方薬情報掲載のデータベースを活用可能
プレシジョンでは、医学情報データベース「Current Decision Support(CDS)」とAI問診票「今日の問診票」を組み合わせ、AIを用いた診療支援システムを開発し2020年4月から提供しており、これまで全国35の医療機関が導入を決めている。
「CDS」は3000疾患の診断・治療方法を掲載した『今日の疾患辞典』、700症状・所見の診断へのアプローチを掲載する医学教科書『今日の問診票/診断辞典』、臨床現場の確認情報を抜粋した臨床支援ツール『診断チェックリスト』、日本国内で使用が許可されている薬剤情報を収録した『薬剤情報』の4種の医学教科書群をパッケージ化したもので、国内最大級の医学情報データベースという。また「今日の問診票」は、患者が診察を受ける前に使用してもらうもの。タブレットやスマートフォンに搭載して患者に渡し約30の質問に答えてもらうと、AIが自然文で電子カルテの下書きを作成し検索単語の候補を作成する。
つまりこの2つを組み合わせれば、診療前に患者自身から症状その他を適切なかたちでデータ化することができ、そのデータを元にかかりつけ医が専門情報を効率的に引き出すことが可能になる。開発にあたっては、AI研究の第一人者、東京大学工学院工学系研究科 松尾 豊教授にAIアドバイザーとして協力を仰いだ。同社では、自宅などで患者がスマートフォンから問診情報を入力すれば、医療機関で診療の待ち時間を減らせ感染リスクを抑えることができるとしており、新型コロナウイルス感染症の感染拡⼤による医療崩壊抑⽌と全国の診療所の診療支援のため、2022年3月末まで月額利用料を無償化する。