名大発ベンチャーPREVENT、愛知県内 14 の健康保険組合とコンソーシアム組成

重症化予防に特化した遠隔医療相談サービスを手がける、名古屋大学発のベンチャーPREVENTは、愛知県内の14の健康保険組合と共同で、生活習慣病の既往者を対象にした健康づくりを推進するコンソーシアムを立ち上げた。名古屋大学と連携しビッグデータを解析することで、医療費予測や重症化予防の効果測定を実施する。

ライフログ分析、アドバイスと学習教材による啓発、行動変容促進サービス

PREVENTは名古屋大学発のベンチャーで、これまで名古屋大学大学院医学系研究科(保健学)山田研究室での、動脈硬化性疾患に対するライフスタイル介入の研究成果を元にした企業健保向けの重症化予防サービスを展開していた。今回はこの実績をもとに新たなサービス「Mystar」をリリースし、これを活用した、より大規模な事業展開を行う。

Mystarでは脳こうそく、心筋こうそく・狭心症、高血圧症、脂質異常症、糖尿病で通院中の対象者にモバイルアプリとライフログのモニタリング・デバイスを使用してもらい、脈拍や歩数、塩分摂取量などのライフログをアプリに同期。サポートする理学療法士や看護師、管理栄養士がデータを分析、約2週間に1回のペースで対象者と電話面談し、生活習慣改善プランの提案やアドバイスを行う。またモバイルアプリ上に、対象者の生活習慣や状況を考慮し、最も学習効果が高くなるタイミングで学習教材を送信する。学習教材は研究結果とデータに基づき作成されているという。

厚生労働省の「レセプト・健診情報を活用したデータヘルス推進事業」に採択

厚生労働省Webサイトより:事業説明資料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000344403.pdf

またMystarを活用した実証事業を行うため、愛知県内の14の健康保険組合と共同でコンソーシアムを組成。被保険者の被扶養者(家族)も対象に広げ、現に生活習慣病治療中の対象者だけはない取り組みも行う。まずレセプトデータ・健診データを各組合から提出を受けPREVENTが匿名化し、データベースを構築。それらを解析しリスク評価、重症化予防の必要がある対象者を抽出し、介入を行っていく。データ解析に関しては名古屋大学と連携して行い、医療費予測や重症化予防の効果測定を実施する。

なおこの事業は厚生労働省の「平成30年度高齢者医療運営円滑化等補助金事業における『レセプト・健康情報等を活用したデータヘルスの推進事業』」に採択されている。