2016年12月22日、佐賀大学とオプティムは未来型医療の共同研究を推進するため包括的な提携を行ない「メディカル・イノベーション研究所」を設立したと発表した。研究所では佐賀大学医学部附属病院を実践の場として、今後共同研究を進めるとしている。
2つの分野で具体的な共同研究を開始
リリースによると、まずは以下の2つの分野で共同研究を行なう方針だという。
○AIによる眼底画像の診断支援
佐賀大学が持つ過去分も含めた「眼底画像」「OCT画像」を、オプティムがサービス展開中のIoTプラットフォーム内のAIへ投入し、ディープラーニングの手法で解析。まずは「緑内障」、「糖尿病網膜症」、「加齢黄斑変性」に関する学習モデルを構築した上で、診断支援につながる推論が可能となるか研究を行なう。
○緊急車両やドクターヘリにおけるスマートグラス活用
佐賀大学附属病院高度救命救急センターに所属するドクターヘリ、救急車両にオプティムのスマートグラスを常備。従来は音声のみの連絡・情報共有であったところを画像も含めた伝送を可能にすることで、緊急時の適切な処置の実施や搬送先の病院の受け付け準備を円滑に行えるようにする。
農業分野での連携実績が弾み
佐賀大学とオプティムは、すでに2015年8月、佐賀県生産振興部、佐賀大学農学部、オプティムの産官学連携というかたちで、IoTを活用した「IT農業」研究で連携している。この先行研究では、ドローン、スマートグラスなどを使った効率化農業に取り組んでおり、分野は違うもののデバイスの活用方法という意味では参考になる実績を積み重ねている。また、オプティムは遠隔医療サービス「ポケットドクター」をMRTと共同で展開しており、画像診断支援の共同研究を自らのサービスへフィードバックしたいという意図もありそうだ。