島津製作所、X線撮影システムにAI投入 従来比で被曝量40%以上削減

 島津製作所は11日、同社の血管撮影システム「Trinias™(トリニアス)」の最上位機種を国内発売開始した。ディープラーニングで開発したAIを搭載することで、従来の40%以上線量を削減できたという。

AI搭載で、低線量下でカテーテル治療が可能に

 血管撮影システムは、患者に対し任意の方向からX線を照射し、血管のリアルタイムの透視画像/動画が得られることから、血管造影検査や、治療デバイスを挿入して血管拡張などを行うカテーテル治療に用いられている。X線照射による被曝の問題が課題とされているが、しかし低線量下ではX線ノイズによりデバイスの視認性が低下するため、被曝量をおさえながら視認性低下も防ぐソリューションが求められている。

 同社では今回、ディープラーニング技術で構築したAIを搭載し、被曝量をおさられる世界初の血管撮影システムを発表した。AIによる画像処理技術で、ノイズ抑制やコントラスト強調を行い、低線量下でも視認性を向上させることができたという。その結果、血管造影検査やカテーテル治療でのX線照射時間の9割を占める透視による被ばく量を40%以上削減できたとしている。また搭載ソフトウェアに対するサブスクリプションサービスも初導入。契約すると定期的にソフトウエアのアップデートを行い、最新状態を保つとしている。

 11日に国内発売開始したほか、海外発売は4月下旬を予定している。価格は税別で3億4千万円。