千葉大学発スタートアップで、救急医療支援システムなどを展開するSmart119(千葉県千葉市)は10日、事業強化を目的として4社より総額3億円超の資金調達を実施したと発表した。調達資金を活用し、急性期医療分野における予測診断アルゴリズムなどの研究開発などに取り組むとしている。
現役救急医が設立したスタートアップ、出資者の協力得て事業展開を加速
Smart119は、現役の救急集中治療医である千葉大学附属病院救急科の中田孝明医師(救急科長/千葉大学大学院医学研究院教授)が2018年に設立したスタートアップ。音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」、緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時の病院初期対応システム「Smart :DR」など、急性期医療の課題解決を目指すSaaS型ソリューションを展開している。「Smart119」は千葉市消防局で昨年7月より本格運用され、「Smart :DR」など病院向けソリューションは、大阪急性期・総合医療センター、国立国際医療研究センター、りんくう総合医療センター、島根大学病院、千葉大学病院などに導入されている。
今回、事業強化と研究開発強化を目的に、ニッセイ・キャピタル、三井住友海上キャピタル、Sony Innovation Fund、PKSHA SPARX アルゴリズム 1 号投資事業有限責任組合から総額3億675万円の資金調達を第三者割当増資。従来より取り組んでいる急性期医療分野における予測診断アルゴリズムなどの研究開発には、今回の出資者であるPKSHA Technologyの知見を取り入れ、また自治体・医療機関への営業活動については同じく出資者の日本生命・三井住友海上グループのネットワークを活かしていくという。