サスメド、シオノギ製薬と提携 開発中の不眠症治療用アプリの日本独占販売権を供与

 サスメドと塩野義製薬は、サスメドが開発中の不眠症治療用アプリに関する販売提携契約を締結したと発表した。同アプリはすでに第III相臨床試験を終了し主要評価項目を達成したとしており、2月にも薬事承認申請を行う予定。

認知行動療法による不眠症改善を目指すアプリ

 サスメドが開発中の不眠症治療用アプリは、認知行動療法をベースとするアプローチで症状改善を目指すアプリ。睡眠障害の専門医であり、同社代表取締役の上野太郎医師の「日本では専門医不足から薬物医療以外を選択する可能性が少なく、そのため睡眠薬の投与頻度が高い」という問題意識から始まったプロジェクトだという。アプリには、患者が毎日の就寝時間や起床時間、日中の不安事項や一日の過ごし方などを記録すると、その内容を独自のアルゴリズムで分析し、患者に合わせた生活改善策の提案などを行う仕組みが搭載されている。このアプリを活用することで、より適正な薬物処方や生活改善につながり、結果一部で指摘されている薬物依存の問題を解消できる可能性があるという。

 昨年11月、同社はこのアプリの第III相臨床試験が終了し、不眠重症度の指標である「アテネ不眠尺度」において治療用アプリ使用群と非使用群(治療機能を除いたアプリを使用)に有意差が見られ、主要評価項目を達成したと発表している。この結果をもって今年早々に薬事承認申請を行うとみられるが、その後の販売をにらんで、今回塩野義製薬との販売提携契約を結んだ。この契約で塩野義製薬はアプリの日本独占販売権を獲得、サスメドは契約金のほか、開発進展に応じたマイルストーン収入として総額最大47億円、さらに製品上市後は販売額に応じたロイヤリティーを得る。なお両者は今後、このアプリ以外の治療用アプリの共同開発などにも取り組むとしている。