2018年12月18日、武田薬品工業は、米Alphabetの傘下のVerily社と、日本のパーキンソン病患者の運動症状を測定・解析する共同研究を開始すると発表した。測定には、Verilyが開発した臨床研究用のスマートウォッチ「Study Watch」を使用する。
Verilyのスマートウォッチ「Study Watch」を使用
パーキンソン病は加齢と関連する神経変性疾患で、一般的な症状として、振戦、無動・動作緩慢、筋固縮、姿勢反射障害、自律神経系症状などがみられるが、神経変性の進行を遅らせる介入治療方法は未だ見つかっていない。両社はこの課題を克服するための一助として、デジタルデバイスによる患者の病態解析を試みる。
測定には、Verilyが昨年発表したスマートウォッチ「Study Watch」を活用する。一般販売を想定していない臨床研究用デバイスで、文字盤に円形E-inkディスプレイを採用し、心電図や心拍数、皮膚電位、慣性運動を測定する複数のセンサーを搭載している。研究では、日本のパーキンソン患者を対象とするという。
この共同研究について、武田薬品ジャパンメディカルアフェアーズ部長のJovelle Fernandez氏(医師)は「パーキンソン病治療は進歩しているが、患者さんの治療満足度は未だ低いのが現状。症状の軽減や、進行を遅らせるための治療中の患者さんへの理解を深めることは大変意義がある。最終的には介護者の方々の生活の質の向上にも寄与できると期待している」と述べている。