スマートフォンで遠隔聴診を実現するアプリ、リリース PtoP接続で安全性確保

 日本の企業から、スマートフォンで高音質の聴診音を遠隔で聞き取ることができ、遠隔聴診が可能になるアプリがリリースされた。聴診器自体は外部メーカーのものだが、無圧縮での音声データリアルタイム伝送機能とPtoP接続による安全な伝送経路を確立する設計を有しており、臨床使用に耐えうる機能を持つものとなっている。

在宅や救急での使用を想定

 今回リリースされたのはDGS(東京都)が開発した「まかせてメディカ遠隔聴診アプリ」。医療従事者向けアプリで、特に在宅診療や救急現場での使用を想定したものだという。主な機能は、電子聴診器の音声データをネットワーク経由でリアルタイムに無圧縮伝送(無圧縮WAV)する機能。ネットワーク状況が良好でなくとも、録音しながら伝送することで品質劣化を回避する。なお伝送に関してはPtoP通信とし、アプリダウンロード時に必須となるGoogle IDまたはApple IDから独自のユニークなキーを生成。聴診時に送信側と受信側のキーを確認することで安全性を確保している。また聴診音は録音が可能で、あとから何度も再生して確認が可能なほか、医療チームや研究者と共有、ダウンロードも可能となっている。

 現在、電子聴診器については医療機器認証を取得済みの他社製デバイスをホームページ等で案内しているが、自社開発中のデバイスがあり、研究機関で検証中だとしている。同アプリはサブスクリプションでの提供だが、試用目的で1ヶ月無料使用できる。

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