2018年10月10日、シーディーアイは、かねてより開発中だったケアプラン作成を支援するAI「CDI Platform MAIA」のサービス開始を発表した。全国のケアマネジャーを対象にサービスの利用申込を受け付けるほか、全国4都市で操作体験会なども行う。
「日本初の、自立支援型ケアプランの作成を支援する」AI
2017年設立のシーディーアイ(CDI:ケアプランデザイン研究所)は、これまでケアマネージャー個々人の経験則のみで作成されてきたケアプランを、データ解析を元にしたAI(人工知能)によるケアプラン作成により精度を上げることで、ケアマネージャーの業務負担軽減やマネジメントの高度化を目指している。AIの開発にあたっては、スタンフォード大学の研究者が立ち上げた米シリコンバレーのActivity Recognition社と事業提携。現在、2期にわたり、2019年3月まで愛知県豊橋市と協定を結び、実証実験・共同研究を行っている。
共同研究では、豊橋市から匿名加工の上提供を受けた介護保険データ約10万件を解析し、アルゴリズムを構築。これをもとに市内のケアマネジャー45名が、述べ650名以上(予定)の対象者に対しAIを活用したケアプランによるマネジメントを行い、効果を検証している。同時に全国各地の15法人、200人超のケアマネジャーも試験導入のかたちで検証に参加、茨城県ケアマネジャー協会や岡山県岡山市でも採用されているという。
「CDI Platform MAIA」では、あくまでケアマネージャーの業務を援助する観点で仕様設計されている。アセスメント情報を入力するとAIが自立支援に資する3つの推奨プランを提示するが、担当のケアマネージャーが対象者の個々の状況に合わせたサービスの取捨選択ができるようになっている。またそうしたプランを実施した場合の対象者の容態の予測や、その予測の比較検討もできる。ケアマネージャー自身が過去の知見に基づいた様々な検討を経てケアプランを提示できることで、対象者やその家族もケアプランに対する理解が深まり、合意形成をスムーズにできるという。
シーディーアイではサービス開始にあたり操作体験会を全国4カ所で実施し、「CDI Platform MAIA」の理解促進と普及をはかる予定だ。