2019年2月21日、東北大学とNTTドコモは、生活習慣病や歯周病の早期発見を可能とするAIの共同研究を4月1日より開始すると発表した。スマートフォンで歯茎を撮影するだけで歯周病を発見できるAIの開発を目指す。
「自撮りの歯茎画像」だけで歯周病リスク判定を目指す
歯周病は20歳代で約61%、40歳代で約71%、60歳代で約75%※1に所見が見られるといわれる一方、40歳〜70歳を対象とした歯周病検診の受診率は全国で4.3%と推定されており※2、より早期から介入することが求められている。 両者はこの課題を解決するため、スマートフォンで歯ぐきを撮影するだけで歯周病を発見できるAIの開発に共同で取り組む。具体的には、撮影時の手振れや撮影環境の明るさの違いを考慮しながら、歯茎の色情報や歯周病独特の形状などを解析し、歯周病のリスクがあるかどうかを判定する。この技術を用いれば、利用者は自宅や会社で空き時間に歯周病のリスクを把握した上で、歯科医師とコミュニケーションすることが可能になる。これにより歯周病検診の受診に繋げ、重症化を防ぐことが期待できるという。
両者は2022年度を目途に、歯周病だけではなく、顎関節症や口腔がんなど他の口腔疾患も発見可能にするAIの実用化を目指すとしている。
※1 厚生労働省,平成28年歯科疾患実態調査を用いて算出
※2 矢田部尚子,古田美智子,竹内研時,須磨紫乃,渕田慎也,山本 龍生,山下喜久. 歯周疾患検診の推定受診率の推移とその地域差に関する検討. 口腔衛生学会雑誌,Vol.68,No.2,pp.92-100,2018.