2000人規模の「生活習慣データ」をウェアラブルデバイスから取得、解析する共同研究開始
東北大学東北メディカル・メガバンク機構と3社が、今年秋より、被験者を2,000人規模募集したうえでウェアラブルデバイスから得られるバイタルデータなどを1年間継続的に取得、解析する研究を始めると発表した。解析データは同機構がすでに所持しているコホートデータとも関連づけて解析するという。
実施中の「脳と心の調査」コホート研究のデータと合わせて解析予定
東北大学東北メディカル・メガバンク機構、第一三共、武田薬品工業、MICINの4者は、ウェアラブルデバイスから得られるデータを大量かつ継続して取得する研究を開始する。開始予定は2022年秋で被験者は2,000人規模、研究機関は2025年3月までとなる。同機構ではコホート調査を行なっているが、生活習慣に関しては被験者自身の申告による調査で客観的・定量的なデータとはなっておらず、この課題を今回の新たな研究で克服できるかを検証する。
複合解析の対象となるのは、同機構が現在も実施中の「脳と心の健康調査」。この調査ではMRI画像データ、心理調査などのデータを収集しており、この調査にウェアラブルデバイスから得られるデータを補完し解析する。具体的には被験者を2,000人程度募集し、ウェアラブルデバイスとデータログ型温湿度計を1年間貸与、期間中に1日2回の血圧測定データと寝室の温度・湿度を収集する(いずれも四半期ごとに30日)。
同機構では、コホート情報とデジタル化した生活習慣データとの組み合わせで、生活習慣と健康・疾病との関連をより詳しく解析することが可能となり、精密医療や個別化ヘルスケアの実現を目指した創薬など、革新的医学研究への応用がさらに加速することが期待できるとしている。