富士通、国立がん研究センターとリアルワールドデータ活用の共同研究開始

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 富士通は、電子カルテの診療情報をはじめとする「リアルワールドデータ(RWD)」を医薬品開発や治験、予防医療などに利活用するため、国立がん研究センターと包括的な共同研究契約を締結したと発表した。国立がん研究センター東病院が所有するRWDを匿名化したうえで製薬企業へ提供するプラットフォームや、治験業務を効率化する情報加工モデルを構築し、その効果を検証する。

2023年3月までの包括的な共同研究契約

 近年、電子カルテの診療情報や患者が自ら管理するバイタル情報などの日々のデータが、新薬開発や新しい治療法、サービスの開発に貢献する可能性が指摘され利活用ニーズが高まっている。国内でも次世代医療基盤法の施行など環境整備がなされ事例が積み上がりつつあるが、今回両者が締結した共同研究契約の内容は多岐にわたっており、以下の3つの共同研究を同時に実施するという。

リアルワールドデータの利活用を検証
電子カルテシステムの診療情報に加え、症例研究の情報や、地域患者の健康情報にかかわる情報(PHR)を、製薬企業が取り扱いやすい形式に加工し提供。医薬品などの開発スピードアップや品質向上の可能性を検証。また、診断や治療を支援する新たなAI技術の開発におけるリアルワールドデータ活用の有効性を検証

新たな治験サービスモデルの確立および検証
現在、人力でマッチングしている治験適合患者の抽出業務(治験患者リクルーティング)を、自動抽出可能にする新たな治験サービスモデルを確立するため、電子カルテシステムの診療情報を解析する。サービスモデル開発による治験に伴う院内業務の効率化を含め、治験のコストや期間削減への有効性を検証。
また治験データの世界標準適応を進め、国際共同治験への積極的な参画を支援。

医療データを安全に利活用する共通基盤構築
上記2つの検証を実施するため、電子カルテシステムの診療情報テキストをデータ活用可能な形式に変換。安全に医療データを利活用できるプラットフォームを構築。

 富士通は共同研究の成果をもとに、RWDを安全に利活用できる一般向けのプラットフォームも2021年度中に開発し、このプラットフォームからも製薬企業などへデータ提供できるようにしたいとしている。

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