日本の新型コロナ患者に対する大規模な後遺症についてのアンケート調査の解析結果が公表された。大阪府豊中市民に対して行われたもので回答総数は4,000人余りに上っており、日本で初めての大規模調査となる。公表された解析結果では、コロナ治癒1ヵ月後もなんらかの症状が出ている割合が約5%となっており、解析を担当した専門家は「決して軽視できる頻度ではない」と、感染対策を徹底するよう警鐘を発した。
QOLを明確に下げる症状が1ヵ月も約5%残存
今回の調査はICTベンチャーの「Buzzreach」(東京都)、大阪大学大学院医学系研究科感染制御医学講座 忽那 賢志教授との共同研究で、大阪府豊中市が新型コロナに罹患し治癒した市民にアンケート調査したもの。回答数は4,047名で、日本の患者に対する後遺症のアンケート調査としては初めての大規模なものとなった。アンケートはBuzzreach社が展開するアンケートアプリと従来の紙によるアンケートの双方で行われた。
回答を解析したところ、治癒後もなんらかの症状(後遺症)を経験していた人はおもに「倦怠感」「咳」「脱毛」の症状を呈しており、特定の症状ではないものの「日常生活に支障を感じる」と異常を感じていた人も含めると、1ヵ月後は5.2%、3ヵ月後も3.6%の人が後遺症に悩んでいることが明らかになった。解析を行った忽那教授は発表の中で「決して軽視できる頻度ではない」としており、アンケートでも重症だった人では後遺症が出やすく、ワクチン接種者からは後遺症が起こりにくい傾向もみられたことから、引き続きワクチン接種と感染症対策は重要だと述べている。詳細は以下より確認できる。