NHS Digitalとケンブリッジ大、新型コロナ対応で必要なICUと人工呼吸器の需要を予測するAI開発

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 英国の保険医療サービスを担う「NHS(National Health Service)」デジタル部門は、機械学習を利用し各病院や地域で必要となる集中治療室(ICU)のベッドや人工呼吸器の需要を予測するシステムの試験を始めたと発表した。

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入院患者のデータから需要を予測

 今回、NHS Digitalの科学者とケンブリッジ大学の研究者チームによって開発されたのは「COVID 19 Capacity Planning and Analysis System(CPAS)」と呼ばれるシステム。新型コロナウイルス感染症で入院した患者のデータに基づき、ICUへの入院が必要な患者数、人工呼吸器が必要な患者数、入院期間やICUでの入院期間を予測する。これらの予測を利用することで、各病院はケアに必要なリソースを計画し、不足分を補ったり余剰資源をを他の病院と共有するため再配分するなどの処置を検討できる。

 CPASは、ケンブリッジ大学のファン・デル・シャール教授と研究室のスタッフが開発した「Cambridge Adjutorium」と呼ばれる機械学習エンジンを中心に構築されている。このエンジンは、すでに心血管疾患と嚢胞性線維症に対する効果的な医療資源を配分するため開発され、すでに同病院内で使用されているもの。これをもとにNHS Digitalと協力し、イングランド公衆衛生局のCOVID-19 Hospitalization in England Surveillance System(CHESS)で収集された匿名データを使用してさらにエンジンを訓練し、同病院の必要な医療資源を正確に予測できることを実証した。この初期的な成果を受け、4月20日より4つの病院で第1段階のアルファ試験が開始された。

 NHS Digitalの最高医療責任者であるジョナサン・ベンゲル教授 は「CPASを利用することで、各病院は先の計画を立てることができ、すべての患者に最高のケアを提供することができるようになる。同時にNHSとしては、各集中治療室が必要とする人工呼吸器、その他の機器、薬剤を必要な時に正確に配置することができる」と評価し、長期的には、新型コロナ対応に限らない、汎用的な医療資源予測に活用できると見通しを述べている。