ランサムウェアに感染、電子カルテシステム復旧の目処立たず 徳島県つるぎ町半田病院

 徳島県つるぎ町立半田病院は31日、院内の端末がランサムウェアに感染し電子カルテシステムに障害が発生、患者情報が扱えない状態にあることを公表した。情報流出被害は現在まで確認されていないが、システムの復旧目処も立っていない。病院では救急の停止や予約患者以外の診療を断り、病院入口で診療科ごとに受付を設置し人力および紙で受付業務を行うなど、異例の対応でなんとか診療を継続している。

メインサーバが感染、患者情報約8万5千人分扱えない状態

 病院側の発表によると、31日未明、勤務していた看護師が、英語で書かれた不審な書類が大量にプリントされているのを発見。紙には「ハッキングしてデータを暗号化した」などと書かれており、同時に電子カルテシステムが使えなくなっていることも確認した。ベンダーなどに連絡したが解消しなかったため、明け方に警察に被害届を提出した。

 復旧の目処は立っておらず、病院ではウェブサイトや病院入口に障害について告知文を掲示、救急診療を停止するほか、予約患者以外の診療もストップすることを決めた。影響が甚大な妊婦や透析の患者の入院、新型コロナウイルスのワクチン接種などは続ける。1日の診療開始には、病院入口に各診療科のスタッフが机を並べ、紙の予約票が確認できた患者に対しては紙で情報を記録し受ける異例の対応で診療を行った。

 病院は31日に会見で「多くの方にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません」と謝罪したが、復旧の目処が立っていないため、1日以降は新規の外来、入院受付も停止するという。