TXP Medical、各地中核病院の医療データを診療科横断的に統合、データベースサービス開始 国内初

 救急・集中治療領域の医療データプラットフォームを展開するTXP Medical(東京都)が、全国の中核病院における全診療科・全患者の時系列医療データを構造化したデータベースサービスの提供を開始した。急性期をはじめ、がんや指定難病・希少疾患など、幅広い領域を対象にした臨床研究や、製薬企業における新薬上市後の評価・フォローアップなど、データを基盤とした医療の質向上へ貢献したいとしている。

同社システム導入先施設から研究用データウェアハウスを構築

同社の提供医療データの特徴 標準化された検査値データ:検査値項目数が250以上 中核病院にフォーカスしたデータ:重症疾患、ICU疾患、がん、指定難病・希少疾患などのデータを多く持つ各地の中核病院のデータを構造化 データ解析サポート体制:臨床経験ある医師をはじめとしたエキスパートによるResearch Questionの設定とプロジェクト推進支援。協力医療機関のリクルートも支援可能

 同社は急性期医療プラットフォーム「NEXT Stage ER」を全国各地の中核病院に提供しており、救命救急センターを有する大学病院セグメントでは30%以上のシェアを獲得している(2022年11月時点)。救急隊向け情報入力・情報共有支援システム「NSER mobile」などでデータ入力の負担を削減するとともに、入力データの規格を整合して標準化したうえで蓄積している。また同時にカルテテキスト、DPCデータ、検査値データなどとの統合も実現し、医学研究用DWH(データウェアハウス)としても活用している。今回、このDWHを製薬企業などに提供を開始する。同社は高度な医療を提供する中核病院を対象に、診療科横断的に多項目のデータを標準化して提供できるサービスは国内初だという。同社はこのサービスで、急性期・がん・指定難病・希少疾患などを対象とした臨床研究、多施設共同研究などに貢献したい考えだ。