Ubieが展開するアプリ「AI問診Ubie」が、東京大学医学部附属病院、慶應義塾大学病院、亀田総合病院にてそれぞれ共同研究・臨床研究を行うことが発表された。研究内容はそれぞれ異なっており、同アプリがこれまで提供してきた業務効率化に加え、臨床的価値を提示できるか注目される。
論文データに基づいたマイニング、提案を行う問診アプリ
「AI問診Ubie」は約5万件の論文データを基礎に、患者に対しタブレットで症状を聞き出し、その中の表現をカルテでよく使う用語に変換したり、回答内容から類推される疾患名を提示するなど、主に業務効率化に重きをおいた問診アプリ。これまで100機関での導入実績があるという(2019年7月時点)。現在の問診機能は主に内科全般に推奨されているが、問診は全診療科のどの場面でも必須の診療行為であるだけに、さらなる精度の向上と、診療そのものへの効果提示が期待されている。
効果検証と精度向上の共同研究
今回その課題克服のため、有力大規模病院3機関との研究に乗り出す。亀田総合病院 糖尿病内分泌内科との共同研究では、慢性期患者への診療における有用性を検証する。東京大学医学部附属病院とは、アプリ機能を向上させるため、新たに高齢者診療に関する鑑別診断チャートをアプリに導入し、その効果を検証。慶應義塾大学病院 リウマチ・膠原病内科は、AI実装の臨床研究として、導入効果をみる。
共同研究に取り組む亀田総合病院 糖尿病内分泌内科 部長の⼩川理医師(糖尿病、肥満症専門医)は「同社アプリが糖尿病治療の目標達成、診療業務の改善に寄与することにより、「患者よし、スタッフよし、世間よし」となることを期待する」と述べている。