東京大学と大日本印刷、薄型で伸縮自在な「スキンディスプレイ」開発に成功 医療にも活用期待

 

2018年2月18日、東京大学大学院工学系研究科 電気系工学の染谷教授を中心とした研究チームと大日本印刷は、薄型で伸縮自な「スキンディスプレイ」の製造に成功したと発表した。このディスプレイへ無線接続する心電波センサーも開発、ディスプレイを心電計として活用することも可能だとしている。

 

厚さ約1mm、繰り返し伸縮可能

今回開発されたディスプレイは厚さ約1mmで、独自開発の構造設計で45%伸縮させても壊れず、耐久性も兼ね備えているという。また量産に向いた技術のため、早期の実用化と将来の低コスト化が期待できるとしている。

研究チームでは今回、2017年7月に先駆けて染谷研究室で開発していた「ナノメッシュセンサー」と無線接続し、計測した心電波形をディスプレイで表示することも行った(上画像)。センサー自体はスマートフォンにも接続でき、リアルタイムでスマートフォン画面で波形を確認したり、クラウドやメモリに保存が可能だが、今回はメモリに保存したものをスキンディスプレイに表示させた。

研究チームでは、医療分野での応用で全世代のQOL(Quality Of Life)の向上が期待できるとしている。例えば、心臓疾患のある高齢者の心電波が、自宅にいながらにして不快感なく計測でき、無線を介して医療クラウドに伝送され、担当医が経時変化を含めて患者の状況を遠隔でモニターできる。問題がなければ、「いいね」マークを自宅のベッドで寝ている高齢者の手に貼り付けたスキンディスプレイに表示することも可能だという。今後、大日本印刷株式会社では、伸縮性を有するデバイスの構造最適化による更なる信頼性向上、製造プロセス開発による高集積化、大面積化といった技術課題を解決し、3年以内の実用化を目指す。