2017年8月28日、AIによる画像診断支援等の取り組みを行なっているRistと、国内最大規模の眼科部門であるツカザキ病院眼科は、共同で行なっていた広角眼底画像を用いたAIによる網膜剥離判定の取り組みでAUC98%の精度を達成し、その成果が英国学術誌に掲載されたと発表した。
英科学誌にも論文掲載、他疾患での展開も目指す
広角眼底画像は、現在、健診などで主に用いられている従来型非散瞳眼底カメラの4倍以上の画角を持つ。わずか2㎜の自然瞳孔下から眼底の80%のエリアを撮影可能とされ、特に眼底の端から発症することが多いとされる網膜剥離の早期発見にも有効と言われている。今回両者はこの画像を用い、網膜剥離眼と正常眼を網膜の広角画像のみから判別する取り組みを行い、臨床上有用な高い精度を得ることに成功した。この成果は論文として英科学誌Natureに掲載された。
今後の展開として、診断見落としを防ぐ二重チェックシステムへの応用や、眼科医療過疎地に対する遠隔診療への応用、健診による早期発見への応用が考えられるとしており、引き続き複数の眼底疾患での展開も推し進めるとしている。