福岡市内の独居高齢者を対象に、電力センサーを含む各種センサーで居宅時の状況をモニタリングするシステムの実証実験が実施されている。センサーが検知した情報を家族や担当の介護職がWeb上で確認できるシステムで、導入することで介護職の負担軽減に繋がるかなどを検証するという。
福岡市内の独居高齢者約20名を対象に実証実験
実証実験では、AIやICTを活用した介護福祉プラットフォームサービスを提供するウェルモと、東京電力パワーグリッド、エナジーゲートウェイが共同開発を進めている「電力、センサー情報を用いた居宅内モニタリングシステム」を採用する。福岡市で約20名の独居高齢者(要支援1〜要介護2)を対象にすでに11月から順次実証を開始、21年4月まで行う予定。
システムでは、AI技術を用いた高精度電力センサー(東京電力パワーグリッド開発・提供)から測定した24時間の家電利用データや、その他センサーデータを基に、生活行動や異常状態を推定した結果をモニタリングシステムに連携。ご家族への異常通知や、介護事業所やケアマネジャーなどへモニタリングレポートの提供を行う。このレポートはWeb上でログインすれば見られる。また、高齢者本人、ご家族、介護専門職はチャット機能を用いた情報交換もできるようになっており、それぞれが遠隔で見守りできることになる。
4月まで実証実験を行ったあと、24時間の生活情報が得られることで介護サービスの適正化につながるか、また、介護専門職による対面や電話による生活情報の聞き取りにかかる時間や負担が軽減されるかなどを検証する。将来的には、ウェルモが開発しているケアプラン作成支援AIと連携し、生活行動データを取り入れたケアプラン作成を目指すという。