ケアテック企業のウェルモは、2019年8月22日、複数の事業会社および既存株主から計11.7億円の追加の資金調達を実施したと発表した。同時にあいおいニッセイ同和損害保険、 コニカミノルタなどと事業提携し、同社のケアマネージャー向けの地域資源検索サービスやケアプラン作成支援AIとの協働事業を開始する。
「利己から利他へ」介護分野のオープン・イノベーションに意欲見せる
今回の資金調達に応じたのはあいおいニッセイ同和損害保険、アカツキ、グローバルキッズCOMPANY、コニカミノルタ、eumo、LINE Ventures、その他事業会社やファンド、既存引受先は、アイ・マーキュリーキャピタル、SXキャピタル、フェムトパートナーズ。創業からの累積調達額は約17億円となった。
また、あいおいニッセイ同和損害保険、コニカミノルタらとはウェルモの主幹事業との業務提携を開始する。具体的には、ウェルモが展開するケアマネージャー向けの地域資源検索サービス「MILMO」の情報と、あいおいニッセイ同和損害保険が持つ情報を組み合わせ、介護現場のリスクヘッジに繋がる新しい保険商品・サービスの開発を目指す。あいおいニッセイ同和損害保険 代表取締役副社長執行役員の黒田正実氏は、「保険会社はどういうときに事故が起きるかという情報を多く持っており、こういうことに気をつけた方がいい、という情報を提供できる」と述べた。
コニカミノルタとは、同社の画像行動認識技術を活用し、ケアプラン作成支援AI「ケアプランアシスタント(CPA)」が提示するケアプランの効果検証を行う。コニカミノルタ 常務執行役の市村雄二氏は、「弊社は世界でダントツの画像処理アルゴリズム技術を持つ。ウェルモのサービスとコニカミノルタの画像IoT×オペレーションを組み合わせ、最適化されたケアプランの提供で、高齢者の自立と介護現場の生産性の向上を実現できる」と展望を示した。
ウェルモでは、今回の資金調達、事業提携を端緒に 介護領域に止まらず、 食事・運動・金融等、 あらゆる周辺領域とのサービス連携を図ることで、超高齢社会に伴い多様化するニーズに応えていくとしている。ウェルモ代表取締役CEOの鹿野佑介氏は「ウェルモのコンセプトは社会課題をICTと先端技術の力で解決すること。資本主義のほころびが社会課題に出ていると感じており、『利己から利他』の概念を混ぜてもいいのではないか」と語った。