便器に後付けするだけで尿を分析できる新デバイス「U-Can」 CES2023でWithingsが発表

 ウェアラブルデバイスを展開するWithingsが、国際的なテクノロジー見本市「CES2023」で画期的な新デバイスを発表した。病院に行くことなく、家の便器に後付けするだで、尿内の様々な物質を解析できるという。2023年中に、欧州及び米国で順次販売開始する予定だ。

カートリッジを入れ替えて分析内容を変更可能 最大3ヵ月交換不要

 

 同社が発表したのは「U-Can」。便器前面に据え付けるセンシングデバイス本体と、解析データを表示するアプリ、サービスのパッケージだ。本体はセンシングするカートリッジと筐体からなり、サービスイン当初は2種類の異なるバイオマーカーの解析を行うカートリッジが用意される。「U-Scan Nutri Balance」カートリッジは、尿に含まれるケトン体、ビタミンCの濃度を測定し尿のpH値を算出する。この値をみることで、代謝機能が正常かを判断する参考にできる。「U-Scan Cycle Sync」カートリッジは尿のpH値に加え、LH(黄体形成ホルモン)量を測定でき月経周期を類推できるものだ。スマートフォンアプリでは各値の推移を統計し、ユーザーが自ら体の状態を把握できるサポートを行う。なおカートリッジ自体は100程度のバイオマーカーを解析できる能力を持っているとしており、今後解析サービスの拡充を視野に入れているとみられる。

 なお自宅トイレに設置することを想定したデバイスなので「トイレの水」と尿の区別、またそれぞれの人の尿の区別もできるように設計されているという。温度によって水と尿を区別し、また「尿が流れる距離と速度」で登録ユーザーの尿かそうでないかを区別できるとしている。カートリッジの耐久性は最大 3ヵ月。バッテリーも同様に3ヵ月持つよう設計されているので、交換時以外に充電する必要はない。

 同社は規制当局の承認を得られ次第、2023年じゅうに欧州および米国での販売を順次開始するとしている。先行して欧州、下半期には米国というスケジュールになりそうだ。参考として、米国の家電紹介メディアがCES会場での様子をレポートしているので供覧する。