国家戦略特区である兵庫県養父市が、2018年5月30日に開催される区域会議で、オンライン診療と遠隔服薬指導を組み合わせる全国初の取り組みを申請することが分かった。諮問会議で認められれば、今秋にも実施する。
処方箋は原本を電子化して送付、処方薬は郵送、宅配
同市によると、区域会議で提案する実施フローは以下のようになるという。
1.市内の病院でオンライン診療
2.診察後、医師が紙の処方箋を発行
3.電子化して調剤薬局、患者に送付(紙の原本は後日郵送で届く)
4.調剤薬局は電子化された処方箋が届き次第、調剤
5.薬剤師が患者に対しテレビ電話で服薬指導
6.調剤薬局が処方薬を郵送、または宅配
ガイドラインで定義されているいわゆる「電子処方箋」は採用せず、紙の処方箋の電子化というかたちでまずは取り組みを開始する。処方薬の配送については、将来的にはドローンも視野に検討するという。
実施エリアは今後調整 医療費削減を狙う
養父市は2014年に国家戦略特区に指定を受け、人口減少と全国平均より10%程度高い高齢社会への対応を進めてきた。これまでに農業生産法人の要件緩和、シルバー人材センターの派遣要件緩和、マイカーによる有料輸送事業の開始などを進めてきており、今回の提案もかねてより構想してきたもののひとつ。市ではこの取り組みで、治療中断による重症化防止を行うことで年間1億円超の医療費削減にもつながると試算している。