日本生命、がん唾液検査のサリバテックと提携、保険商品・関連サービスの共同研究の可能性も探る
2017年9月28日、日本生命相互会社は、唾液を利用したがんの簡易検査を技術開発中のベンチャー、サリバテック社と提携すると発表した。検査技術開発への協力を行うほか、この検査技術を利用した健康増進サービス、保険商品・関連サービスの共同研究の可能性も協議するとしている。
生命保険会社が本格的に予防、早期発見策の支援に乗り出す
日本生命は現在の中期経営計画で「人生100年時代をリードする」とし、子育て支援、高齢社会対応、ヘルスケアを中心に従来の保険の域を越えた価値提供に取り組んでいる。2017年8月には福岡県、島根県とそれぞれ個別に包括協定を結ぶなど具体的な動きを加速させているが、今回もその一環とみられる。提携相手のサリバテックは、山形県鶴岡市に立地する慶應大学鶴岡タウンキャンパス内の慶應大学先端生命科学研究所発のベンチャー企業で、一度の少量の唾液採取でがんの簡易検査ができる技術「SALIVA CHECKER®」を開発していることで注目されている。現在、すい臓がん・大腸がん・乳がん・肺がん・口腔がんの検査を同時にできるとしており、そのうちすい臓がん・乳がんについては早期発見の可能性もあるという。
日本生命はこの提携を含むヘルスケア事業を強化するため、2017年10月1日付で営業企画部内に専門のチームを新設する。チームに戦略企画推進のほか、ヘルスケアデータの分析運用機能も集め関連業務を集中させ、取り組みを加速させるとしている。