「毛髪診断コンソーシアム」設立、18社協働で新しい健康指標開発を目指す

理化学研究所と株式会社オーガンテクノロジーズ、ヤフー株式会社、株式会社アデランスな ど計 18 社の機関が参加する「毛髪診断コンソーシアム」の設立が発表された。コンソーシアムでは、毛髪に蓄積される健康指標や疾患指標による新たな非侵襲型診断システムの確 立に向け、科学的なエビデンスに基づくビッグデータの構築を目指す。

 

毛髪は「健康情報が蓄積した過去ログ」

毛髪は非侵襲的に採取できる数少ない生体組織であり、これまで法医学の分野において、重金属や薬物の代謝物を毛髪から高感度に検出する方法が確立され活用されてきた。毛母細胞(上皮細胞)が細胞分裂して生み出され、内部にケラチンが蓄積して死んだ細胞の集合体である毛髪は、いわば 「最近まで生きていた細胞の標本」といえる。かつ1 か月に約 1 ㎝伸びるという特徴から、根元から 1 ㎝には最 近 1 か月の健康情報、12 ㎝先には 1 年前の健康情報、といったように蓄積した健康情報の「過去ログ」を持つ細胞標本とも言えるという。

今回発足するコンソーシアムは、こうした特徴を持つ毛髪から得る健康データを活用した、新しい健康指標の開発を目指す。理化学研究所多細胞システム形成研究センター器官誘導研究チームの辻孝チームリーダーの下、まずは毛髪の形態変化の測定による ヘアケアや、毛髪組成の解析による健康データ、さらには疾患を早期に検出するマーカー物質を特定するため、個人の健康や習慣などの情報と毛髪の解析データをもとにビッグデータを構築する。さらに、毛髪の根元からの位置を任意に選択することにより、健康データの時期による変動や病気の発症前後のデータを的確に 取得するとともに、その改善に向けた取り組みにより、個々人の状態変化の検証を可能とする。

 

6つのワーキンググループでオープンイノベーションを推進

コンソーシアムでは、毛髪診断システムの構築に向け、カルテ作成、携帯解析、組成分析、デバイス開発などの6つのワーキンググ ループを設立し、小規模での探索研究を実施。開始から2年間で1 万人のビッグデータの構築を目指す。さらに小規模で各種疾患患者についても解析を行い、早期診断につながる疾患マーカー探索の研究も進める。その後はこれらの研究成果を活用した製品やサービスの開発を行うとともに、現在の健康診断に加え、日本発の新たな非侵襲型診断システムとして 世界標準となることを目指すという。