厚生労働省、社会保障審議会に診療報酬改定の骨子案提示 ICTの評価を明確化
2017年11月24日、厚生労働省は同日行われた社会保障審議会(社保審)の医療部会と医療保険部会で、平成30年度の診療報酬改定の基本方針を提示した。骨子では質の高い医療実現と、医療従事者の働き方改革推進のためICTの利活用推進を定めている。
「ICT等の将来の医療を担う新たな技術の着実な導入」と明記
骨子案では、平成30年度の診療報酬改定の具体的方向性として、
(1)「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進 」
(2)「新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実」
(3)「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進 」
(4)「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上 」
の4つをあげ、そのうち(2)と(3)にICTの利活用に関する方針が入った。(2)では医療の質を向上させるため、遠隔診療の適切な活用や医療連携を含めたICT等の有効活用を進めるとしたほか、データを収集・利活用し、実態やエビデンスに基づく評価を推進するとした。また将来を見据えた課題としても、ICTの活用による医療連携、医薬連携等について引き続き検討が求められると表記している。(3)についても(2)と同様の表現で利活用推進を定めている。
具体論へいよいよ大詰め
11月に入ってから、平成30年度の報酬改定に向け議論が具体化し始めている。先日の中医協(既報)では遠隔診療に関するガイドライン策定、またガイドラインを前提とした遠隔診療の診療報酬上の評価が実質的に承認され、すぐに策定のための研究班が発足した(既報)。この研究班では本年度末をめどにガイドライン策定を目指すとしており、今回の骨子案提示もあわせ、保険収載に向けたプロセスが着実に進んでいる。