シェアメディカル、「メディライン®」がカンボジアの日式病院に正式採用
2017年12月14日、シェアメディカルは、カンボジアで初の日式病院である「サンライズジャパンホスピタル」に自社の医療用チャットサービス「メディライン®」が正式採用されたと発表した。同病院は日本の医療法人、産業革新機構などが出資し、日本人医師や看護師が現地勤務する「日本の病院輸出のモデル」として知られている。
院内150人の医師・看護師で利用を開始
「サンライズジャパンホスピタル」は、医療法人社団KNI理事長の北原茂実氏が推進する「日本の医療を輸出産業に育てる」取り組み、および、「日本の医療まるごと輸出」と称される日本政府の施策を出発点とする事業で、日本の民間会社(日揮株式会社、株式会社産業革新機構、株式会社Kitahara Medical Strategies International )による合弁会社Sunrise Healthcare Service Co., Ltd.が運営している。カンボジアでは長く続いた内戦の影響で自国の医療従事者が激減し、信頼できる医療サービスを求め国外の病院を受診する国民が多い。そのような状況の中、高品質な日本式の医療サービスを日本人スタッフを中心とする体制で提供し、さらに現地採用のカンボジア人スタッフに日本式医療を教育、現地の医療品質向上に寄与するこの病院は大きな期待をもって迎えられている。昨年9月の開院式典では2,000人以上の列席者があり、フンセン首相も出席している。
「メディライン®」を採用したサンライズジャパンホスピタルでは、夜間、入院している患者さんに異変があった場合など、関係するスタッフへの連絡や状況の共有、オンコール待機や非番の医師への確認や呼出しにも利用している。固定のネット回線やパソコンより先にスマートフォンが普及したカンボジアでは、メール連絡より手軽な「メディライン®」の方が現地スタッフにも馴染みやすいという。「メディライン®」は海外展開を見越して元々英語版アプリも用意していたほか、クメール語など60ヶ国語以上の様々な言語で送受信が可能になっている。今後はカンボジア人当直医師から送られた検査データをもとに、待機中の日本人医師が相談を受けるなど活用シーンを広げる。
この発表にあたり、シェアメディカルCEOの峯啓真氏は、Med IT Techに対し次のようなコメントを寄せた。
弊社の「メディライン®」は現在、国内80施設で導入されています。その多くが地方の医療施設です。移動距離が長い中での訪問診療などは都市部の医療とは、また別のアプローチが必要だと考えています。この分野こそ本来もっとも医療ITが必要な領域だと確信しています。一方、経済発展を続ける東南アジアなど新興国も医療の需要に対してそのレベルが成長していません。ナレッジという観点から医療ITの活躍できるフィールドが見込まれます。そして両者に共通するのはコミュニケーション。弊社は医療コミュニケーションを起点として、今後も医療ITを推進してまいりたいと思います。