アボット、日本初のスマートフォン両OS対応植込み型心臓デバイス

アボットメディカルジャパンは、日本初となるAndroid,iOS両対応の植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator:CRT-D)を発売した。いずれの機器も専用アプリで稼働状況の確認などが可能となっている。

日本初のスマートフォン両OS対応ICDおよびCRT-D

同社が今回発売するICD、CRT-Dは、スマートフォンの低消費電力Bluetooth(BLE)機能を利用し患者のスマートフォンと連携する。デバイスの状態や情報をスマートフォン上の独自アプリを通じ、暗号化した上で専用の遠隔モニタリングサイトに送信する。これにより医療従事者は、患者の外出時を含めた24時間365日の遠隔モニタリングが可能となる。また患者側も、専用アプリ上でデバイスの状態の確認や医師の指示による手動でのデータ送信が可能で、トランスミッターを設置せずとも常時医療従事者とデータを共有できるようになる。

近畿大学病院心臓血管センター長の栗田隆志教授はこのデバイスおよびアプリに対し、「致死性不整脈および心不全の治療においては、いかに早期に臨床的イベントを把握し治療するか、という点が非常に大事であると同時に、機器の状態を正確に把握することが求められる。患者さんのよりリアルタイムで正確なモニタリングが可能になり、適切な治療につながると考えている」と述べている。