アイリスのインフルエンザ診断補助テレスコープ「nodoca(ノドカ)」、保険適用 点数は迅速検査キットと同等

 厚生労働省は、5月に薬事承認したアイリス(東京都)の内視鏡用テレスコープ「nodoca(ノドカ)」を使用する検査の保険適用を決定した。同製品はインフルエンザ感染疑いの患者を対象に使用する医療機器で、撮影した咽頭画像、問診情報などをAI(人工知能)で解析、感染有無の診断に資する結果を提供する。

専用カメラ+日本人医師の知見を生かしたAIなどで短時間に解析

 

 今回保険適用が決まった「nodoca(ノドカ)」は、専用カメラで撮影した患者の咽頭写真をもとに、体温等のデータと組み合わせAIがインフルエンザの「陽性」「陰性」を短時間で判定するもの。従来の検査法と比べ侵襲性が低く、医療従事者が二次感染するリスクを減らすことができるほか、検査の迅速化も実現することから、インフルエンザ診療の質量両面でのさらなる改善が期待できる。なおAIのアルゴリズムには、日本の医師の研究成果も活かされている※1

 適用区分は「C2(新機能・新技術)」で、同社としては「AI医療機器を用いた診断が公的保険に収載されるのは日本初」としている。点数は「インフルエンザウイルス感染症検査」として305点で、現在普及しているインフルエンザウイルス迅速検査キットを用いた診断と同じ点数となる。適用開始は2022年12月1日。

※1 宮本 昭彦, 渡辺 重行, 咽頭の診察所見 (インフルエンザ濾胞) の意味と価値の考察.日大医学雑誌72巻 (2013) 1号 p.11-18