脳波測定と機械学習を組み合わせ、うつ病の兆候を探索するAlphabet Xの「Project Amber」、オープンソースに

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Project Amberの最終的なEEGプロトタイプ:ヘッドセット、センサーストリップ、バイオアンプ

 Googleを含むAlphabetグループの中で先端的な研究を行う「Alphabet X」が、過去3年にわたって取り組んできた「Project Amber」の成果をオープンソースとして公開すると発表した。脳波の動きをAIで解析し、うつ病の兆候を発見できるか探求するプロジェクトだったが、道半ばで終了したことになる。

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プロトタイプの設計データ、解析ソフトウェアのソースなどをGitHubで公開

「Project Amber」と名付けられたこのプロジェクトは、うつ病患者の脳波活動が健康な人と比べて鈍くなるという先行研究を受け、脳波計(ECG)をクリニックレベルの施設でも簡単に導入でき、かつ脳波データのノイズなどをAIの力で除去し、うつ病の兆候を発見することを目的に開始された。アリゾナ州立大学と専用のECGのプロトタイプを組み上げ、データ取得の実験を続けていたという。

最終のプロトタイプでは、Fz、Cz、Pzの正中線に沿った3つのセンサーが付属したキャップ、最大32チャンネルをサポートできるバイオアンプ、取得したデータを解析するソフトウェアの3つからなるセットに帰着した。このプロトタイプによる脳波データ取得の精度と、解析するアルゴリズムの詳細については論文にまとめてあるという。

 発表では、プロジェクトのなかで精神科医、カウンセラーなどに250回以上のインタビューを行い、プロトタイプへの評価などを聞いた結果も公表している。それによると、専門家たちは総じてクリニック等で専門家が関わらずに測定することに疑問を呈したが、その一方で、患者やクライアントの自宅での状況を知るためのモニタリングツールとしての可能性に強い興味を持っていることが分かったという。

 今回「Project Amber」が開発していたプロトタイプについて、ハードウェア設計データ、測定およびデータ解析ソフトウェアをGitHubに公開。また制作済みのプロトタイプデバイス50個をSapien Labsに寄贈し、EEG研究をグローバルにサポートするHuman Brain DiversityProjectの一環として世界中の研究者が使用できるようにした。今後はAlphabet Xにおける研究は行わないとしている。

外部リンク:Project Amberが投稿した論文
外部リンク:Project Amberが公開したGitHubリポジトリ

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