AppleとGoogle、コンタクトトレーシング技術の正式提供開始 各国保健当局向け
2020年5月20日(現地時間)、AppleとGoogleがいわゆる「コンタクトトレーシング」技術の正式提供を開始したと発表した。各国の保健当局のみに使用を許可する方針だが、すでに日本を含む22カ国と米国の多くの州政府に許諾したと表明している。
GitHubで標準的な実装コードを公開
今回提供開始されたのは、感染者との接触可能性を通知するいわゆる「コンタクトトレーシング」技術を、アプリ側が利用するためのAPI。利用を許諾された各国の保健当局がアプリを開発し、原則1国1アプリのみリリースされる。日本でも厚生労働省がこのAPIを利用してアプリを開発、リリースする予定としている。
今回提供される技術は、Bluetooth通信技術が持つ近接距離検知機能を利用するもの。個人情報を収集しないかたちで近接した記録のみを残し、記録が残っているユーザのなかから感染者が出た場合、感染者自身の自発的な報告によって、そのユーザと近接した記録を持っている他のユーザに通知される仕組みとなっている。またこのAPIを利用するアプリに対しても、API以外の機能で位置情報など個人特定に繋がる情報を取得しないよう、利用条件に制限を設けている。
両社は正式提供にあたり声明を発表し、各国がアプリを開発するための支援を引き続き行っていくとしたが、アプリが効力を発揮する鍵はユーザの自発的な感染報告だとし、プライバシー保護のためにはこのAPIの方式が最良だとした。
両社が公開した技術文書、コード: