AppleとGoogle、各国保健当局向けの「コンタクト・トレーシング」技術の詳細仕様、運用規定を更新
2020年5月4日(現地時間)、AppleとGoogleは先月発表していた、開発中のいわゆる「コンタクト・トレーシング」技術について進展報告を行った。仕様について更新を行ったほか、実装イメージ画面、運用のガイドラインを公開した。
APIは各国の保健当局のみが使用可能 利用アプリも「1国1アプリ」
AppleとGoogleが4月10日が共同開発すると発表した、感染者との接触可能性を通知するいわゆる「コンタクト・トレーシング」技術について、現地時間の5月4日に大きな進展があった。Appleは開発者向けサイト、Googleは新型コロナウイルスに関する自社の取り組みを紹介する広報ページ内で、技術仕様の更新内容と運用方針、実装イメージを公開した。
それによると、まずこの技術の名称自体について、専門家などの意見を取り入れ、医学用語を採用し「暴露通知(Exposure Notification)」と名称を変更した。公衆衛生に寄与する取り組みであり、個人情報を収集しないことをより明確にするためとみられる。技術自体は当初の発表通り、GPS等の個人情報を収集せず、Bluetoothの近接距離検出技術を活用し感染者と一定時間近接した場合に通知するものであることは変わらないが、名称を変更するにあたり、活用を許可する各国の保健当局に関しても、位置情報サービスの連携を禁じることなどを条件とした。つまり両者の開発した技術をAPIとして利用するアプリが、アプリ内の別の機能で個人情報を取得しようとすることを禁じたということになる。また、改めてAPIを利用できるのは各国の保健当局のみとし、さらに、アプリ自体も原則として各国に1アプリのみと定義した。
これらの発表より先に、両者は開発者向けにサンプルコードなどを公開。各国の保健当局が開発しやすいよう便宜を図っている。なお、英国は先日、両社の技術は活用せず独自にコンタクト・トレーシングを行えるアプリを開発すると表明している。
両社が公開した技術文書: