パワード義足開発の東大発ベンチャー、BionicMが5.5億円調達

動力で下肢切断者の歩行をアシストする「パワード義足」の研究開発を行う、東大発ベンチャーのBionicMが、シリーズAとして5.5億円の資金調達を行ったと発表した。調達先は東大系のVCのほか、科学技術振興機構(JST)も名を連ねている。

当事者自身が研究開発するベンチャー、SXSW でも受賞

BionicMは、9歳の時に右足を切断していた創業者で中国出身の孫小軍氏が、日本留学時代に初めて義足に出会い、ロボット義足の必要性を感じたことから創業したベンチャー。東京大学とソニーでエンジニア、研究者として研究後、2018年に設立した。彼自身が研究する独自のヒューマノイドロボット技術を応用した「パワード義足」は国内外で高く評価されており、SXSW(South by Southwest) Interactive Innovation Awardを日本関係者として史上初めて受賞している。

その後NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、厚生労働省の事業に複数採択され研究開発を強化、産総研との共同研究も進め、その成果は昨年10月に神戸で開催された国際義肢装具協会世界大会(ISPO2019)に発表された。

同社は今回調達した資金を活用し、新たに外部人材を取締役に登用するほか、孫氏出身の中国に現地法人を設立し日中両国でのビジネス活動を展開する基礎とする。また2021年の実用化に向けトライアルユーザーを募集するという。