キャピタルメディカ・ベンチャーズ 神奈川県と連携し12億円規模のヘルスケアベンチャーファンドを組成
キャピタルメディカ・ベンチャーズは、神奈川県等と連携して取り組んできた「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド」を組成し、2018年3月30日から運用開始することを決定した。並行して、第一弾案件となるヘルスケアベンチャー企業4社への投資も発表した。
12億円規模でスタート
「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド」は、神奈川県等が推進する健康寿命の延伸と、新たな市場・産業の創出を目指すヘルスケア・ニューフロンティア政策の一環で企画された。キャピタルメディカ・ベンチャーズ(以下CMV)は、2017年10月にファンドのGP(ジェネラル・パートナー:無限責任組合員)として採択され、ファンド組成に向けて準備を進めてきた。投資対象は、ヘルスケア分野(医療・介護・ヘルスケア・保育・農業(農福連携など)、食事、スポーツ)のベンチャー企業としており、基本的には設立5年未満のシード・アーリーステージのベンチャー企業を対象とする。
「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド」の特徴としては、資金提供のみならず、キャピタルメディカグループの支援先医療機関や高齢者施設、さらに神奈川県等も連携した「場の提供」で、成長支援ができる国内初のVCファンドである点だという。CMVでは設立当初から運営するファンドを通じ、実際に同グループの施設を実証実験フィールドとして提供しているほか、また神奈川県も、ロボット特区における実証実験支援事業、「ME-BYOリビング・ラボ」事業などでベンチャー支援を行ってきた。資金提供のほか、研究開発に欠かせない実証実験においても、自治体との協力が得やすいことが期待できる。
第一弾投資先は4社、母子保健からゲノム解析まで
CMVは、同時に第一弾の投資先4社を発表した(投資額は不明)。母子保健、次世代の乳がん検査機器、オフラインで使用可能な人工機能エンジン、エピゲノムデータの統合解析を提供するベンチャーと分野も多岐にわたっている。
日本の授乳室不足を解決する可動式の個室ナーシングルーム「mamaro(ママロ)」を開発、運営
次世代型乳がん診断装置「リングエコー」の研究開発。リング型の振動子を用いて乳房を撮像するという新たな手法により、被曝・痛み・高濃度乳房でのガン見落としリスクを無くし、技師のスキルに依存することのない乳がん検査を実現
少量のデータからでも特徴の抽出が可能なスパースモデリングと機械学習を組み合わせた、独自の人工知能「HACARUS-X(ハカルスエックス)」を開発・販売
次世代シーケンサーより得られたエピゲノムデータの統合解析プラットフォーム「RyuGoo(リューグー)システム」を開発
CMVでは今後も神奈川県や他の有限責任組合と連携し、投資先ヘルスケアベンチャーを継続的に支援しつつ、さらに積極的にヘルスケアベンチャー企業への投資、育成を推進するとしている。