千葉大学病院が「メディカルイノベーション」「遠隔医療マネジメント」に関する教育プログラムを開講

NEWSイノベーション,医療ICT,医療IT,千葉大学,厚生労働省,遠隔医療

 千葉大学医学部附属病院 患者支援部は、2021年11月から開始する教育プログラムの受講生募集を開始した。昨年厚生労働省の委託事業として開講した「メディカルイノベーション戦略プログラム」を引き継ぐもので、今期は遠隔医療を扱うプログラムを独立させた2本立てとなる。どちらも期間は1年間で、医療分野の事業創造に関連する知識や現場の課題抽出、プログラミング実習を含むAIの理解に必要な技術知識、遠隔医療の事業モデル評価の実習など、統合的な知見を得られる意欲的なプログラムとなっている。

基礎知識、技術知識習得だけでなくプログラミング実習も

 千葉大学病院が、昨年開講した教育プログラムを今年も継続することになった。「超高齢社会の日本でこそ起こせる医療イノベーションを生み出す人材」育成を目的とした教育プログラムで、昨年、厚生労働省の「令和元年~2年度 教育訓練プログラム開発事業 (2年開発コース)」 として行われたプログラムを引き継ぐ。昨年度は1つのプログラムとして開講したが、今期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により遠隔医療の要件緩和が行われていることを鑑み、遠隔医療に関するプログラムを「遠隔医療マネジメントプログラム」として独立させ2つのプログラムとした。

 「メディカルイノベーション戦略プログラム」では、1年間で60時間授業を設定。基礎知識はもちろん、現場ニーズを吸い上げて事業コンセプトを作り上げる実習や、事業化にあたって必要となる政策決定プロセスの見極め方、知財戦略など実践的な知識を学べる内容となっている。これからのイノベーションには必須といえるICT知識を学ぶ授業も多く予定されており、例えばAI・機械学習と画像診断についてや、ブロックチェーン、メカトロニクス、医療機器のサイバーセキュリティについて12時間学べるほかに、実際にコードを書く作業を含むプログラミングを学ぶ実習が24時間組まれている。

 「遠隔医療マネジメントプログラム」は、「地域特性に合わせた遠隔医療サービス及びシステムを適正に導入し実践できる、医療介護領域の人材」を育成することを目的に、1年間で60時間のプログラムを構成した。基礎知識、周辺知識を20時間かけて学んだあと、遠隔ICU、遠隔診断、病診連携など臨床応用例を学ぶセッションが10時間組まれており、実践的な知識が得られるよう工夫されている。またニーズの違いで遠隔医療のかたちは変わるため、予防医療、へき地医療、公衆衛生といった異なる領域からみた活用例をみていく授業も10時間設定。さらに「遠隔医療の適正化実習」として、公開されている医療圏ごとの各種データを読み込む授業や、海外で開発された遠隔医療の事業モデルを評価するフレームワーク「MAST(Model for Assessment of telemedicine)」を学ぶ機会も用意された。

 両プログラムともすでに仮登録の募集を開始しており、11月に開講予定。修了すれば千葉大学の履修証明が得られる。コロナ禍が収束するまでは、オンラインでの受講となる。

外部リンク:千葉大学病院 メディカルイノベーション戦略プログラム遠隔医療マネジメントプログラム

関連記事