CiRA、世界の研究用iPS細胞約1万件を検索できるウェブサイトを開設
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、世界のiPS細胞株のデータベースを統合し一元的に検索できるWebサイトを開設した。統合した約1万件を超える情報を、キーワード検索や疾患名などで検索できる。2020年には日本語による一般向けのサイトも公開する。
世界の4主要データベースを統合、11,000件余りを検索可能に
iPS細胞研究の効率化を目的に、これまで樹立されてきたiPS細胞株の情報を検索できるデータベースは、日米欧を中心に現在も公開されている。今回、CiRA未来生命科学開拓部門の藤渕航教授らの研究グループは、そのうち4つの主要データベース(理化学研究所バイオリソースセンター注1情報データベースプロジェクトSKIP注2、hPSCreg注3、eagle-i注4)の14,609件のデータを統検索可能なウェブサイト「幹細胞バンクデータ統合コレクション」(Integarated Collection of Stem Cell Bank data by MIACARM (ICSCB))を開設した。
Webサイトでは、簡易キーワード検索のほかに人種・性別・細胞源・疾患名・細胞グレードなど詳細を設定でき、健常人由来iPS細胞や、パーキンソン病、加齢黄斑変性など世界で樹立された疾患特異的iPS細胞の検索を容易に行える。研究グループでは、とりわけ、進行性骨化性線維異形成症(FOP)など希少疾患から樹立されたiPS細胞をより容易に探し出せるようになることで入手しやすくなり、より効率的な研究の推進に貢献できると期待している。
今回公開されたWebサイトの対応言語は英語のみだが、2020年には一般向けの日本語ウェブサイトも公開する予定。
注1) 理化学研究所バイオリソースセンター(BRC)
RIKEN BRC 細胞材料開発室 -CELL BANK-注2)SKIP:慶應大学で開発された幹細胞情報データベースプロジェクト
(2019年にCiRAへ移管)
SKIP注3)hPSCreg:ベルリン医科大学で開発されたヒト多能性幹細胞情報データベース
hPSCreg注4)eagle-i:ハーバード臨床橋渡し科学センターで開発されたリソース発見ツール
eagle-i