尿中マイクロRNA検査、2022年2月実用化 卵巣がんと肺がんが対象

 Craif(東京都)は、尿中マイクロRNAを検出し、がんを早期発見するがんリスクスクリーニング検査サービス『miSignal™(マイシグナル)』を2022年2月より実用化すると発表した。検査は医療機関を通じて申し込む枠組みとなる。対象がん種は卵巣がんと肺がんで、現在様々なパートナーと進めている臨床研究の進展に応じ、対象がん種は順次拡大するとしている。

 2018年5月創業の名古屋大学発ベンチャー企業であるCraifは、自社開発した酸化亜鉛ナノワイヤデバイスを用いることで従来法より簡便かつ効率的にエクソソーム・細胞外小胞を網羅的に捕捉できる検査技術を確立している。この技術を用いれば尿中のがん組織由来のマイクロRNAを少量でも検出できることから、さまざまな研究機関をパートナーにがん検査サービスとしての精度を検証してきた。現在までのところ、「初期段階の肺がん・脳腫瘍において感度・特異度ともに97%以上」、「卵巣がんの検出精度においてAUC0.98以上」というエビデンスを発表している。

 同社はこれらのエビデンスで精度が確認できた「卵巣がん」「肺がん」について、医療機関を通じた検査サービス「miSignal™(マイシグナル)」として2022年2月にサービスインすることを発表し、パートナーとなる医療機関の募集を始めた。同社では現在、乳がんをはじめとした婦人科のがん、大腸がんなどについて複数の研究機関を共同研究を行っており、研究開発の進捗に応じて、順次同サービスの対象がん種を拡大したいとしている。