クオリプス、約20億円の資金調達完了 iPS細胞由来の心筋細胞シート実用化へ加速

 現在、大阪大学とiPS由来の心筋細胞シートの実用化に向けた治験に取り組んでいる医療ベンチャー「クオリプス」社は4日、第三者割当による20億円の資金調達を実施したと発表した。調達資金を活用し、3年後の上市へ向け事業を加速させる。

海外展開も視野に資金調達実施

 同社は同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの早期実用化を進めるべく、現在大阪大学で実施中の医師主導治験を支援している。細胞シートの製造・供給体制を構築するため、20年夏に大阪府箕面市に細胞培養加工施設を建設・稼働させたが、今後は3年後の上市に向け研究開発の加速させるとともに、海外展開のためのさらなる探索研究を推進するため第三者割当増資を実施した。割当増資に応じたのは大幸薬品、京都大学イノベーションキャピタル、テルモ、ダイダン、ステムセル研究所、朝日インテックなどで、総額約20億円。

 このうち大幸薬品には再生医療にかかわる衛生管理分野での協業、ダイダンには商業用細胞培養加工施設を活用した管理技術の一層の高度化、ステムセル研究所とは再生医療関連でのシナジー、朝日インテックには細胞の体内デリバリーシステムの開発といった協業も見込んでいるという。